きょ〜おは楽しいひな祭り〜

我が家でも、二人の可愛い姫様の幸せを願ってお雛様を飾りました。
今年はオリンピック鑑賞にうつつを抜かしていたので、
なかなか出さないでいたから、すぐに仕舞う羽目になっちゃいそう。
読書ペースが少々上がってます←私ってひま人なのかしら?(^^ゞ
今回はこの四冊
猫を抱いて象と泳ぐ』 小川洋子
不思議なタイトルと子どもの人形が一体写る装丁。
その両方に惹かれてこの本を手にとりました。
伝説のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの密やかな生涯。
後に「ビショップの奇跡」とも称されることになる一枚の棋譜・・・
チェスの知識は全く皆無にも関わらずチェス盤の宇宙に魅了されました。
触れることも語り合うこともできないはずのリトル・アリョーヒンに
魅了されてゆく数々のチェスの名手たち。
ミイラとの手紙・・・
大切な人に静かに囁きかけたくなるような、深い海の中で漂うような
心の奥底に沁み込む物語です。
『初恋ソムリエ』 初野晴
お待ちかね「退出ゲーム」の続編が出ました〜

草壁先生を巡るハルタとチカちゃんの三角関係は続きます(笑)
早朝の音楽室を徘徊するものとは?
所在不明な「FMはごろも」77.4MHzと地学研究会のブルー・トパーズの謎。
アスモデウス(ソロモン王に封印された悪魔)に狙われたクラスの苦しみ。
40年前の初恋に秘められた塩むすびの謎。
どのお話にも深い人の思いがこもっています。
今回、生徒会長日野原くんに匹敵するほどの強力キャラが登場!
初恋研究会、初恋ソムリエの朝霧亨くん。
そばにいたら面白いけど怖いかもぉ(笑)
『告白』 湊かなえ
第29回小説推理新人賞、2009年本屋大賞受賞作。
かなり話題になっていた本なので、つい手に取ってしまいました。
わが子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで淡々と犯人について語る第一章。
第二章以降はそれぞれの登場人物が(自分にとっての)真実と心情を語っていく。
これほど読後感が悪い本はめったにないと思います。不快の一語!
特に特定の病気を、話の核となる復讐の道具に用いたことは許せない。
世の中には自分ではどうしようもない不可抗力で辛く苦しい病気に感染し、
発病を恐れ、絶望や悲しみと闘っている人が大勢いるというのに。
作者の配慮の無さ、倫理観の希薄さに薄気味悪さを超えた悪意すら感じます。
文学の世界での暴力性や反社会性は制限されるべきではありませんが、
正しい知識もなく、人間を偏見と猜疑心でしか捉えることのできない人には
小説を書く資格そのものが無いと思うのだけど・・・
この本を大賞に選んだ本屋大賞にも嫌悪感を感じます。
この人の作品はもうこの先絶対読まないし、人に薦めたりもしません。
『小太郎の左腕』 和田竜
鉄砲伝来から十三年、戦国時代が幕を開けた時代。
勢力の拡大を続ける戸沢家、児玉家には開戦しか残されていなかった。
11歳の少年が左構えの種子島を手にした瞬間世界が変わる。
登場人物の躍動感が素晴らしい!
輝く魂を持ったあどけない小太郎の凄さと、
清々しく潔い半右衛門と豪快で義理堅い喜兵衛の武将同士の友情が熱く心を打ちます。
この物語には女性は一人しか登場しません←しかも故人・・・
でもたった一人の鈴姫の存在が、半右衛門と図書の運命を決めてしまったことに
深い純愛を鮮烈に思い描かせてくれます。
ラストシーンの壮絶さは、まさに”新・戦国エンターティメント”の面目躍如です。
そしておまけのお雛様

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