我が家の小学生も夏休み〜〜

母は今週、ラジオ体操当番がキツいで〜す

でも、秋の省吾との再会に備えて気力体力蓄えなくっちゃねっ。
今回は、「悪」と「夢」と「思春期の始まり」
『悪の教典(上)(下)』 貴志祐介
2010年度「このミステリーはすごい!」第1位。
2010年度「週間文春ミステリーベスト10」第1位。
第1回山田風太郎賞受賞作。
貴志祐介が描く戦慄のピカレスクサイコホラー。
上下巻合わせて845ぺージもの大長編ですが一気読みできます。
その辺りの筆力はやはり圧倒的!
東京郊外の私立高校で、生徒にも保護者にも教師にも絶大な人気を誇る蓮実聖司。
世にも恐ろしい殺人鬼、蓮実が正体を現した時死体の山ができる。
内容はひたすら悪。
ここまで徹底してると否定の感情が起きない←感情移入も出来ないけどね
夜中や体調の悪い時に読まない方がいいと思います。
『YOU!』 五十嵐貴久
ジャンルとしてはYA(ヤングアダルト)?
親と離れて一人暮らしをするはめになった18歳の女の子(小沢優)が
ひょんな手違いで、男性アイドル専門事務所・マックスプロモーションに入所。
ハードなダンスレッスンの中で育まれる、仲間との友情&恋!?
よくあるパターンの女子が男子に間違われて起こるドタバタが
メインかと言えば、そうでもないのですよ〜。
この小説のメインはひたすらヒップホップダンスの練習描写。
難しいステップの名前や踏み方、ダンスのフォーメーションや組み立て方等々
活字だけでダンスの事を何にも知らない素人読者に細かく伝えるってのは
はっきり言って無理があったねぇ・・・
これが映像になっちゃえば、一目瞭然で分かり易いのだけど(^^ゞ
っま、ジャニーズ事務所を想い浮かべて読むのが正しいと思われます(笑)
でもねぇ、ラストで優はあれで納得してるわけ?
私的にはもうちょっと夢に向かって羽ばたく展開が良かったなぁ〜。
『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦
初めての森見作品です。
不思議な物語を書く作家さんというイメージがあったので
最初は構えて読み始めました。
やっぱり独特の特徴のある文章で、表現し難い味わい(?)を感じました。
郊外の新興住宅地で暮らす小学四年生のアオヤマくん。
理屈ぽくて好奇心旺盛、素直だけど子どもっぽくはない彼の研究課題は
町に突如現れたペンギンの研究と、森に浮かぶ海の研究。
そして歯科医院の受付のおねえさんの研究。
世界の広さや深さを知る喜びは、同時に痛みを伴うものであることに
気づいてしまう。
ま、ファンタジーであることは間違いなさそうだけど、
物語の中で起こるいろいろな謎についての解明は一切ありません。
説明なんかしないほうがいいって思う人も多いだろうしねぇ。
んん〜〜〜、アオヤマくんのお父さんやおねえさんが魅力的な大人なだけに
私にも理解可能な(単純な?)説明があるとすっきり読み終われた気がします。
『第二音楽室』 佐藤多佳子
サブタイトルはSchool&Music
文字通り学校と音楽が合わさった物語が4編綴られています。
ピアニカ組になった小学5年生の倉田さん。
屋上の第二音楽室での練習や悪ふざけの日々。
それらがピアニカ以外の楽器にこだわる劣等感と共に描かれる「第二音楽室」
中学校の音楽の授業で男女のペアで歌を歌うという実技試験にまつわる
騒動や淡い恋模様を描いた「デュエット」
リコーダーで卒業式のBGMを演奏することになった4人。
仄かな恋心や劣等感、真剣に音楽と向かい合う事の厳しさと楽しさが
感じられる「FOUR」
そして、不登校になった主人公がインディーズの歌手「裸樹」のファンになり
女子高でバンドを組む。居場所を失くさないために自分を武装し
友達とのやりとりに神経をすり減らす人間関係に臆病な彼女は
特別な女の子ではないのです。
そんな彼女に大きな一歩を踏み出させる力を持っていたのが音楽。
そう、一つの唄が永遠になる、それが音楽の力なのかもしれません。

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