道路やお店があっちこっちで混雑していますね〜。
っま、年末だからねぇ。
職場でもクリスマスツリーの飾りつけが終わったら、
施設内の大掃除割り当てリストがど〜んと張り出されました。
いや、一般業務だけでもこの時期そーとー忙しいのに
無茶振りだろ・・・←ここでボヤく小心者の私
今回の本も時代小説、児童書、流行モノ、ミステリーと趣味バラバラです。
読みたい本読んだらこんなことになってました(笑)
『RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと』 荻原規子
2009年に始まった
RDGシリーズ、完結編です。
前作の”戦国学園祭”で姫神の能力を顕現させた泉水子。
鳳城学園生徒会長、如月仄香は真の生徒会長、村上穂高の存在を明らかにし、
世界遺産候補となる学園トップを巡って陰陽師派の高柳一条は
泉水子への最後の勝負を表明する。
そしてIUCN(国際自然保護連合)も泉水子に働きかけを始める。
文章にすると何だか小難しいストーリーに聞こえちゃうねぇ。
紀伊山地・玉倉山から東京に上京した引っ込み思案の少女が
さまざまな経験や試練を経て、内面を成長させ、友情を育み、
幼馴染への淡い想いを本当の恋へと変えていく。
まさしく児童書の王道ストーリーでした。
泉水子と深行の純粋で強い絆・・・
サブタイトルのラストシーンがとても可愛くて心地よい余韻の本です。
『何者』 朝井リョウ
第148回直木賞受賞作。
性格も趣味思考も育った境遇も異なった学生たちが
「就活」の名のもとに関わり始める。
劇団サークルの脚本家・拓人、留学を終えた瑞月、
海外ボランティアやインターンなどさまざまな肩書きを並べる理香、
バンドのボーカル・光太郎、芸術家肌で就活に否定的な隆良。
お互いの微妙な感情が現実では穏やかに動きながらも、、
フェイスブックやツイッターの画面に映し出される虚構の中に漏れる本音。
お互いのつぶやきを深読みしたり、別の意味を付け足したり、
自分と他人との違いにこだわりながらも自分のやり方に自信が持てない。
「自分は何者なのか?」という根源的な疑問を抱きつつ生きる
今の人間のもがきや息苦しさがリアルに伝わってきます。
『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』 中山七里
主人公、御子柴礼司の遺体遺棄の描写から物語が始まります。
これはクライム小説なのかぁ??って勘違いしたくなるほど
冒頭シーンでの御子柴は悪です。
まあ、それが中山七里の狙ってるミスリードだというのは
話の展開が広がるにつれて明らかになっていくのだけれどね。
彼が国選弁護士を引き受けた有罪判決が濃厚な裁判を
さまざまな方法を駆使してひっくり返していく過程も面白かったです。
タイトルにもなっている奏鳴曲にまつわる医療少年院時代のエピソードには
現実ではないにも関わらず胸が苦しくなるような悲しみや苦悩がこもっています。
この本を読んで「贖罪」の意味はますます分からなくなった気がする・・・
御子柴が結末を託したのが渡瀬班長だった事に納得しながら本を閉じました。
『猫背の虎 動乱始末』 真保裕一
江戸末期、江戸を襲った直下型大地震(安政江戸地震)のさなか
新米同心、大田虎之助が、被災した町人たちの中に飛び込み
江戸中を駆け回りながらさまざまな厄介ごとや事件を解決していきます。
虎之助くんは身の丈六尺ほどの大男ながら、
気は優しくて力持ちな恋する24歳。
いつも母と姉二人とお手伝いさんの女だらけの家で
猫背になっている姿と、仕事場でのキリリとした男らしさのギャップがいいですねぇ。
先輩には可愛がられ、部下には慕われ、同僚には羨ましがられ
片想い中の彼女の妹には片想いされてます。
ほっとけない男なのだよ〜〜。
若いお兄ちゃんだから仕事に恋に揺れ動いてる感じが青春だわ〜。
彼の裁きはいつも切なく、少し暖かく、そして限りなく優しいものなのです。

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