子供は夏休み、大人は三連休。
梅雨明けも近いよ〜〜
ベランダの家庭菜園もどきも収穫時期に向かってま〜す。
三連休、昨日は学校で保護者説明会、今日は近所の夏祭り、
そして明日は、パシフィコ横浜&横浜アリーナの2本立て

今月はちょっと忙しいかもぉ←いつもに比べたら(笑)
日本のミステリー界のトップを走る同世代の二人。
まとめて読んでました。
『残り全部バケーション』 伊坂幸太郎
まず、タイトルに惹かれました。
センス(雰囲気)があるぅ。
5つの連作短編スタイルですが、見事に全部がつながっていますね。
テンポとストーリー展開の巧みさがまさしく伊坂幸太郎っ!って感じ(笑)
溝口と岡田コンビ、何ともいえない味があります。
余韻を残すエンディングに「やられた」感が半端ないし←いい意味で
こんな面白い本を読まされたら
岡田くんの復活(?)続編をどーしても期待しちゃいますねぇ。
『ガソリン生活』 伊坂幸太郎
実のところ、日々、車同士は排出ガスの届く距離で会話している
本の帯の冒頭文章です。
そう!この本の主人公は車(緑のデミオ)!!
いやぁ、もうこの発想そのものがめちゃめちゃチャーミング。
デミオの持ち主(望月家)が偶然元女優の翠(みどり)を乗せたことから始まる
事件やトラブルの数々・・・
翠さんの事故死にまつわる謎や、望月家のまどかちゃん(姉)の彼氏が
巻き込まれた脅迫事件、そしてしっかり者の亨くん(弟)にちらつく苛めの影。
ミステリーとしても素材と展開と結末がすごく面白いのですが、
それ以上に面白いのはやはり車同士の会話部分です。
車それぞれに個性があり、車目線での会話が当然人間目線からは
ズレているところもほのぼのと愛らしくてページをめくりながら笑みが浮かんできます。
主役のデミオは優しくてちょっと気が弱く優しい性格。
他にも友人(友車)のカローラ、通りすがりのバイクや車、
憧れの電車や、言葉の通じない自転車。上から目線のパトカーなどが
人間の知らないところで情報網を駆使しつつコミュニケーションしているのが楽しいです。
道行く車たちが大好きになってしまいます。
そしてエピローグが更にこの本に素敵な後味を残してくれます。
『夜の国のクーパー』 伊坂幸太郎
戦争に負けたトム(猫)の住む国に鉄国の兵士がやってくる。
支配される町の人々たちが助けを願う「クーパーの兵士」とは・・・?
仙台の港から小船に乗り釣りに出たはずが縛られて動けない状態の私。
言葉が話せる猫やねずみ。
杉から生まれるというクーパーという名の不思議な怪物。
ファンタジーの形態をとりながらも、扱われているテーマは国家、
平和、戦争、リーダーの在り方と、とても現実社会に則しています。
最初は物語世界に入り込むまで時間がかかりますが、
ページを読み進めるうちに、隠されていた真実が明かされて
意外な展開の結末までどんどん引き込まれていきます。
誰かの犠牲の上に成り立つ平和、安定・・・
これは間違いなく今の世界の話なのです。
『リカーシブル』 米澤穂信
父が疾走し、母の故郷に引っ越してきたハルカとサトル。
母に気を遣い、学校でも目立たなく良い子に徹するハルカ。
そのハルカが唯一本性を出して
馬鹿呼ばわりし冷たい態度を取る相手が弟のサトル。
それでもハルカにすがり、頼り、時には馬鹿と言い返すサトル。
高速道路誘致や、土地に残る「タマナヒメ」伝説の謎。
よそ者への秘密めいた空気を感じつつも、ハルカは
未来を予知しているかのような言動を繰り返すサトルの不安の
根源を突き止めようとします。
閉塞し疲弊した町で、隠されていた真相を見つけ出したとき、
ハルカは弟を全力で庇います。
壊れてしまった町や家の中で
この姉弟の関係だけは壊れないでいて欲しい。
そう願わずにはいられません。

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