“On The Road 2006 - 2007”のツアータイトルを“My First Love is Rock’n’Roll”とすることに関しては迷うことなく決めた。
「初恋はロックンロール!」まるで無邪気な青春映画の邦題のようなタイトル、いいだろ !?
“My First Love”は、「オレの初恋はRock’n’Roll…」と歌った、新しいオリジナルアルバムのタイトルソング。
そして、デビューアルバムのタイトル曲「生まれたところを遠く離れて」の中の「どこの街でも聴かせてやるさ、ばか息子のRock’n’Roll…」という歌詞から、“Rock’n’Roll”をソロデビュー30年目のコンサートツアーのシンボル的な言葉として、この二つを組み合わせてツアータイトルにしたんだ。
厳密には「オレの初恋はRock&RollとRhythm&Blues…」と言うべきなんだよね。どちらもブルースをルーツにした商業的なダンスミュージックだけど、オレはアフリカ系アメリカ人ではないので「ブルース」という響きは気恥ずかしく、「オイシイところをイタダイタ」という意味では同じ立ち位置にいる白人寄り…ということでRock’n’Roll」という方を選んだ。
「Rock’n’Roll」は色んなジャンルのロックミュージックを包括している言葉で、「パンク」「グランジ」「メタル」「テクノ」も一言で言えばR&Rなんだよね。
ついでに言うなら「ソウル」も「ヒップホップ」もR&Bと言っていいよね。
このツアーのスタートは2005年9月3日、アリーナツアー初日の「長野ビッグハット」だったと言える。
去年の秋は12の都市のスポーツアリーナで26回のショーをやった。
そして、ソロデビュー30周年の今年は、デカイ所じゃなくて、自分の音楽活動の原点であるコンサートホールツアーを選ぶことにしたんだ。去年のアリーナツアーと今年からのホールツアーはオレの中では繋がってるんだよね。来年まで続く長いツアーになるけど、自分の中で節目となるツアーなので、質の高いステージを目指しながらも出来るだけ自分自身でも楽しめるようにしたいと思っている。
初恋の人の面影を心に描いて、あの頃の一途な気持ちがふっと蘇るといいな…そんな気分かな。
浜田省吾