今年のツアーで非常に印象的だったのは、なんと云っても浜田さんの「元気さ」。ON THE ROAD 2001当時の浜田さんは、もの凄い使命感を背負ってステージに臨む「ファイター」という印象で、誤解を恐れずに言えば、元気というよりは、ある種の殺気があった。それは“ロックの歌い手としてはもちろん正しく、その禁欲的ながんばりの姿勢は、バックで演奏する僕らにも、そしておそらくオーディエンスにも一種の畏敬の念を抱かせていたと思う。そんな文字通り「命を削っている」イメージ、硬質なオーラは今回のステージでは殆んど感じられない。
今回の全28公演のライブで浜田さんが振りまいていたのは「シアワセのオーラ」みたいなもの。それはステージから観客席を見ればよく分かる。どのお客さんの顔も本当にしあわせそうなのだ。というか、本当にしあわせなのだろう。でなければ人間はあんな表情はは出来ない。
浜田さんは明らかに「自分の年齢を手なづけた」のだと思う。これは決して抽象的な表現ではない。ライブでのペース配分、声の出し方、体調のコントロールetc.ものすごく綿密で具体的なノウハウの積み重ねによって、浜田さんは「50代半ばの年齢で、数千、数万のオーディエンスの視線を一身に集めてロックンローラー、エンターティナーたりうるにはどうすればいいのか」という、とてつもない難題を見事に解いたのだ。
僕なんかが云うのは気が引けるのだが、浜田さんは明らかに「進化」したのである。50代になっても人間はちゃんと「より高い所」に行けるのだ、という事実を体現している浜田さんの姿は、同時代を生きる全てのファンにとってなによりの励みだろうし、同時に、来年「いつだって最年長(笑)」の町支さんを除いてツアーメンバーで最初に「50代」に突入してしまう僕自身にとっても、本当に心強い支えである。感謝します。
さて、それにしても、今回のツアーバンド!とにかくよく飲んで、よく食う。満腹中枢が壊れてるんじゃないかと思われるメンバーも何名かいて、ツアー開始直後は、このイキオイに巻き込まれてはイカン!と注意していたのだが、結果、全然ムリ。明らかに体重増加、体脂肪増加。来年のツアー再開までにダイエットしておかないと、「来年の年末」には恐ろしい事態になっているかも。
しかしまあ、なんせ楽しいバンドで、「なんだか仲良し」。
演奏中も演奏後もめちゃくちゃ楽しいので、多少太るのはしようがない。・・・ってこれ、問題のスリかえだな。以後気をつけます。
福田裕彦

福ちゃんはメンバーきっての「物知り博士」です。博学??雑学??「何かあると福ちゃんに聞いたら?」と皆は言います。何でも必ず答えが返ってきます。
来年の進化が楽しみ・・・ By 岩熊