昨年、この2006-2007ツアーのスケジュールを調整している頃に、制作の森安くんから「このツアーの最終日は何処にしましょうか?」と問われた時に、僕は躊躇せず「酒田市民会館にしなさい!スケジュール的にも、経済的にも不効率ではあるが、酒田にしてほしい」と言ったことを鮮明に覚えています。
今回のホールツアーは“47都道府県を網羅する“をコンセプトにツアー・スケジュールのブッキングをしてきました。最後に残ったのが、奈良県と山形県。奈良県は会館のスケジュールと舞台の設備が合わず、断腸の思いで断念しました。(スミマセン奈良県の皆さん)で、山形県下であれば、山形県民会館で・・ということもあったのですが、山形県民会館は今回のステージを組むことが難しく、隣が病院ということもあり、いつも問題になるので、迷わず酒田市民会館にしました。酒田市民会館が最近新しく建て替えられたことを知っていたので・・・。
では何故、酒田市民会館なのか?
83年5月17日(約24年半前)に初めて酒田市民会館でライブを演った。ROAD&SKYを設立して間もない頃に・・・。その時の印象は今でも忘れることが出来ません。僕に全国の会館で一番印象が残っている会館は?と問われたら、真っ先に酒田市民会館を挙げます。それくらい強烈な印象があります。その日のことは忘れることが出来ません。
83年5月17日に会館に入り、楽屋に入ろうとすると、まず土間があり、小さな和室(畳敷き)の楽屋が二つ、共用のぽっちゃんトイレが一つ、そして・・・スタッフが空かさず「ステージの電源が落ちるので、楽屋では電気を使わないで下さい。電気が足りません。」と・・・
「はぁ〜???」。
畳敷きの和室にロウソクが焚かれていて、「もちろんヘヤードライヤーも使用禁止です!!」と・・・。
浜田と僕は目を丸くしたことを、今でも鮮明に覚えています。ライブが終るまで楽屋はロウソクの明かりだけでした。
この日は浜田の体調もそんなに良くはなかったし、しかも外は雨。
暗〜い!暗〜い!印象しか残っていない酒田の一日でした。
そんな24年前の印象を払拭したい、酒田はきっといい街なんだ、もう一度酒田に行ってみたいと思っての酒田市民会館でした。
もちろん、浜田自身が最も敬愛する詩人・吉野弘さんの出身地ということも、もう一つの要因でもあります。
「何でツアー最終日が酒田なの?」とメンバーやスタッフや友達などいろんな人に聞かれました。その都度24年前の話しをすると「へ〜!?スゴイねぇ〜!!」と納得するのでした。
また、酒田市内でも「ツアー最終日だって?どうしてだろう?」と話題になっているとも聞きました。
今は酒田市民会館を最終日にしたことを本当に良かったと思っています。
ツアー最終日。酒田市民会館。24年前の記憶。
「酒田は素晴らしい街だったヨ」とみんなが思ってくれると確信しています。

メンバー、ツアークルー全員で記念写真。
この写真は全員に差し上げました。もちろん内藤くんの写真ですよ。
"The 109 Magical Nights"を共にした証しです。
間もなく開場、開演と続きます。
今日お見えの皆さん、ラストステージを思いっきり楽しんで下さい。
今日の開場時のBGMはBeatlesの「Magical Mystery Tour」です。
プロデューサー 岩熊